日本トラウマインフォームドケア学会の設立にあたって
このたび、日本トラウマインフォームドケア学会を設立する運びとなりました。
トラウマインフォームドケアは、支援を受ける人の体験に目を向けると同時に、支援の場や関係性そのものが人に与える影響を問い直す視点です。医療・看護・福祉・教育・司法・行政など、多様な領域において、その重要性は広く認識されつつあります。
日本においてトラウマインフォームドケアは、この10年、臨床実践、教育、研究の各領域で蓄積が重ねられてきました。しかしその多くは、個人や地域の実践に支えられてきた側面もあり、知の体系化や継承、領域横断的な対話の場の必要性が課題として残されてきました。
本学会は、こうした課題を背景に、トラウマインフォームドケアを「問い続ける学術」として位置づけ、実践・教育・研究の往還を通して発展させていくことを目的として設立されました。
また本学会は、特定の専門職や領域に閉じることなく、多職種・多領域が共通言語として学び合う開かれた場であることを志向しています。支援を受ける人のみならず、支援を担う人々、そして組織や社会にとっての「安心」とは何かを問い続けることが、私たちの使命であると考えています。
2025年に石川県にて開催した設立準備会を経て、このたび第1回学術集会を開催できることは、本学会にとって大きな第一歩です。本学会が、臨床・教育・研究をつなぐ基盤として、持続的に知を育む場となることを願っております。
皆様のご参画とご支援を心よりお願い申し上げます。
日本トラウマインフォームドケア学会
代表理事
一ノ山 隆司